傷つき屋


「じゃあ、ぼくも警察官になる」

扉の隙間からも細い光が漏れていて。

真っ暗じゃ眠れないからいつも、豆電球がオレンジ色に灯るのを見つめていました。


「どうかなあ、マコトはなあ。縄跳びできなきゃなれないぞ?」

「お父さんだって縄跳びできないじゃん」

「できるさ。昔はもっとできたんだ」


嘘じゃないぞ、とお父さんは言いました。

右ひじをついて頭を支えたまま、僕の髪を撫でました。



「大人は嘘をつかないんだ」

そう言って笑います。

< 8 / 86 >

この作品をシェア

pagetop