エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~

「あれ? 郡司に話してなかったか。千菜ちゃんの上司が俺の担当患者で、この前見舞いに来たんだよ。すげー偶然だろ」


 そういえば前に院内で千菜に会ったな。確かに、上司の見舞いに来たと言っていたが、まさか三雲が担当している患者だったのか。


「千菜の上司はどんな病気だ? 千菜は肺が何とかとよくわからんことを言っていたが」

「気胸だよ。それも肺気腫が原因の続発性自然気胸」

「それだと治りにくいな」

「でもまぁ順調に回復してきてるよ」

「そうか。それならよかった」


 とりあえず命に別状はなさそうだと安心し、飲みかけの缶コーヒーを一気に飲み干した。

 その後、三雲にどうして千菜が元彼にキスをされているところを俺が見てしまったのかを尋ねられたので説明した。

 仕切り直しにデートを再開させようとしたところで、呼び出されたことも話すと、またも同情するように肩をたたかれた。

 みなとみらいの夜景の中でプロポーズをするという三雲が考えてくれたプランも実行できずに、婚約指輪はまだ俺の手元にある。

 早く千菜に渡したい。

 でも、彼女は受け取ってくれるだろうか。

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