エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
仕事は好きか?



 *


 十二月に入ると、街は一気にクリスマスムードに包まれ始めた。

 私の職場である港町図書館もこの時期になるとクリスマス関連の本を集めた特集コーナが設置される。

 今日はその準備として、児童書担当の私はクリスマスの絵本や物語を開架と閉架の両方の書架から集めては特集コーナー用に作った書棚にせっせと並べていた。近くにクリスマスツリーを飾ると、館内にもいよいよクリスマスムードが漂い始める。

 お昼前になりようやくすべての本を並べ終え、サンタとトナカイの描かれた看板を設置していると後ろからトントンと背中を叩かれた。


「沢木さん、今ちょっといいかな」


 小声でそう話し掛けてきたのは小谷さんだ。特集コーナーの設置も無事に終わったので頷くと、彼女は私の手を引いてカウンターの奥にあるちょっとした作業用の部屋へと連れていく。


「小谷さん、どうしたんですか?」


 話しかけられたときから小谷さんがやけに深刻な表情を浮かべていたので、いったい何事だろうと気になった。彼女は静かに作業部屋の扉を閉めると、くるんと私を振り返る。

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