エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 でも、どうやら三雲にもようやく心から愛せる女性ができたらしい。どんな女性なのか詳しくは知らないが、今後の参考にプロポーズについて尋ねてくるところを見ると、どうやら結婚を考えているらしい。

 プロポーズか……。


「してないな。そういえば」


 ぼそっと答えれば、「は⁉」と三雲が信じられないものでも見るような目で俺を見る。


「マジかよ。プロポーズしてないの? それで結婚とか言ってんの? プロポーズといえば女性の憧れなんじゃないの?」

「そうなのか?」

「いや、俺も男だからそのへんあまり詳しくないけどそういうもんだろ。プロポーズは大事だと思うけど」

「そうなのか……」


 千菜との結婚が決まったのは一か月前。

 久しぶりに実家に呼ばれて帰ってみると、父親が嬉しそうに俺に報告をしてきた。


『貴利、喜べ。父さんの大親友の玉蔵と話し合った結果、あいつの娘の千菜ちゃんを郡司家に迎え入れることになった。お前、千菜ちゃんのこと好きなんだろ』


 ……俺が千菜を好き?

 親父は何を勘違いしているのかと疑問に思ったが、次の言葉を聞いて納得した。

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