蕾の恋〜その花の蜜に溺れる〜


大ちゃんの部屋で一緒に眠るようになって

初めは恥ずかしくて端っこに寝ていたけれど

朝起きると何故か大ちゃんの腕の中にいる

それが毎日続いて・・・
結局諦めた

だって。

大ちゃんの腕の中は温かで良い匂いがして

いつもあっという間に寝ちゃう

それに大ちゃんの胸に耳を付けると鼓動が伝わってきて安心する


「大ちゃん」


「ん?」


腕の中からこっそり顔を覗き見ると
急に視線を絡めた大ちゃんの瞳がキラッと光った気がした


「・・・・・・っ、んっ」


そのまま重ねられた唇は
ゆっくり浸食を始める


歯列をなぞって深く侵入する舌を
未だ受け入れるのがやっと

呼吸も苦しくなって
頭を後ろに引くと

それを阻止する大きな手に捕まる





「蓮」





「好きだ」





翻弄されるだけの慣れない行為の合間に
胸に届く大ちゃんの甘い声は


身体に熱を灯し始める



一度離れた唇から


「蓮が欲しい」


ストレートな言葉が聞こえて


虚に合わせた視線は潤んで揺れる


「蓮」


少しずつリップ音が立って
大ちゃんの熱を感じるだけで
身体が反応を始めた



「いいか」



「・・・うん」



コクンと頷いた



初めては大ちゃんとが良い


もう二度と叶わないと思っていたそれが


叶えられるというだけで
涙が出そうなくらい嬉しい


ボタンがひとつずつ外されるたびに


緊張で身体が跳ねそうになるのを
目蓋をギュッと閉じて堪える



やがて・・・
下着も脱がされた時には


恥ずかしくて消えたくなった




「綺麗だ、蓮」



どこまでも甘い大ちゃんに
委ねるだけで精一杯で

長い指先が肌を滑るだけで


「・・・やっ、だ・・・めっ」


初めての感覚にシーツを握りしめた




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