死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「でも心配するな」
そう言って祐希がニカっと笑う。
小さい頃の祐希の笑顔と重なるようで…。
「あと1回クリアすれば退会できる」
「退会?」
「もうあんなふざけたゲームとはおさらばだ」
「でも愛海が…」
途中まで言いかけてやめた。
愛海がいる限り、スムーズにしりとりはできない。
いくら祐希が【り】責めを乗り越えたとしても、難しい言葉でバトンを渡してくるはずだ。
「それなら心配しなくていい」
「えっ、でも」
「あいつとも話し合った。死り神はやっぱりクラスメイトだし、もうすぐ退会もできる。だから最後の1回は俺たちに協力するらしい」
「本当に?」
「あぁ、だから今はゆっくり休めよ」
「うん…」
素直に返事をしておく。
私としては、愛海のことは信じることができない。
圭子も罠にハメたくらいだ。
また何を仕掛けてくるか…。
「じゃ、俺は行くから」
立ち上がった祐希の手を、私は思わず掴んでいた。
「あのっ、本当にありがとう」
「前にも言っただろ?」
「えっ?」
「俺が守るから」
ギュッと祐希が握ってくれた。
この温もりを私はずっと忘れない、この時に誓ったんだ。
忘れないと…。