君に不格好な愛を

「怜治、仕事は最近どうなの?」

「ん、普通。」

あたしは二人の会話を聞きながら、

にやけそうな顔を引き締める。

「仕事忙しいのにカフェの手伝いも、
やってるの??身体…大丈夫?」

「心配なら俺の代わりに店手伝えよ。
客に対して店員が足りねぇの。」

霧島君は麗菜ちゃんのコップの縁を、

指先でなぞってチラッと彼女を見た。

「手伝い…。」

「あら、怜治がいるってことはぁ~!
…やっぱり!麗ちゃんいらっしゃい!」

お店の裏から出てきた綺麗な女性。

霧島君のママだ…ほんっと美魔女。

霧島君パパも凄くハンサムだし、

まさに理想の家族経営だ…。

「で!麗ちゃんが手伝ってくれるの?
私も大助かりだわぁ、頼めるかしら?」

霧島君ママは勿論給料はしっかりと、

支払うわ!とにっこり微笑んで見せる。

麗菜ちゃんがそっと見上げた霧島君は、

一等柔らかな笑みを浮かべていた。

麗菜ちゃんは決意を固めた顔で、

漸く丁寧に言葉を紡ぐ。

「是非、働かせてください!!」

ここは桜木が並ぶ坂道の途中にある、

隠れ家のような心安らぐカフェ。

優しい木漏れ日に幸せが包まれる…。
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