僕ときみの、ありふれた恋
「そういえば、立川くん」
「なーにー?」
放課後、教室で2人きり。シチュエーションは青春っぽい、夕日がきれいな日。
立川くんと一緒にテスト勉強をしながら、ふと気になったことを聞いてみた。
「立川くんって、なんであだ名が"ボン"なの?」
何気なく沼丘くんたちがボンって呼ぶからあまり気にしてなかったけど、何か意味があるのかな。
「んー・・・そういえばなんでだっけ。わかんないな」
「そうなの?」
「ユキもいっちゃんもいつの間にかそう呼んでたから、イマイチあだ名の理由はわかんないんだよね」
「沼丘くんも瀬戸くんもなんとなく由来がわかるのに、立川くんだけ謎だね」
「だよね。ていうか、そろそろ苗字呼び、やめない?」
「えっ・・・」
結局、たち・・・洋斗くんにそんな提案をされて、疑問は解決しなかったけど、ちょっとだけ、距離は縮まったような気がした。
「沼丘くん」
「なに?宇崎さん」
「たち・・・洋斗くんのボンってあだ名って、なんでつけたの?」
「ああ。好きな人のことでからかったら、すぐに顔がボンッて赤くなってたから」
「!!!」
「(つか、呼び方やっと変わった)」
番外編2 END