僕ときみの、ありふれた恋
沼丘くん、瀬戸くん、いーちゃん、私、立川くんでご飯を食べていると、必ず立川くんはいじられる。



今日も、瀬戸くんからから揚げと卵焼きを取られそうになっている。



実は立川くん、料理が得意らしく、お弁当も自分で作っているんだとか。



お母さんに頼りきりな私とは違って、すごいなぁって思う。



ワイワイとお弁当を食べていると、立川くんがクラスの子に呼ばれた。



みんながそっちを向くと、3年生でも1番かわいいと騒がれている女の人が、立川くんと共にどこかに行ってしまった。



また告白かな・・・?



そう思ったとき、心の中にモヤッとしたものか広がったような気がした。



真っ白な画用紙に、黒い水彩絵具を落としたようなモヤモヤは、じんわりと私の心を黒く染めていく。

< 42 / 127 >

この作品をシェア

pagetop