極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~

「そういえば、澪音は自分の居場所を見つけたんだよな。
それって俺の隣か?」

ぶらぶらと繋いだ手が揺れた。
それがなんだか、心地いい。

「さあ?
どこでしょうね?」

なにも考えずにするりと自分の口から出ていた、私の居場所。
ここだってわかっている。
でも私はまだ、フランス留学の夢を諦めることはできない。
古渡さんが出してくれたこの店に不満があるわけではないが、それでも私の理想とは違うのだ。

……これ以上、好きになったら別れられなくなる。

彼と離れられなくなるのが怖い。
だから私はこれ以上、彼を好きになったりしない……。
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