キミだけのヒーロー
「あの……」


目の前にいるミヤビちゃんがついに口を開いた。

その後のセリフを予想して、オレの顔は自然とほころぶ。


ミヤビちゃんは、うつむいたまま小さな封筒を差し出した。

ラブレター?

うんうん。

わかるよ。

ミヤビちゃんは純情だもんね。

いきなり、告ったりすることができるタイプじゃないのだろう。

オレは封筒を受け取ろうと手を伸ばした。


「これ……あたしのアドレス……」


OK!

アドレスゲットなりー!


心の中でガッツボーズを決める。

そして封筒を手にした瞬間

ホッとしたようにミヤビちゃんが顔を上げ、ニッコリ微笑むとこう言った。



「サトシ君に渡して?」



「は……はいぃ?」


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