明日が見えたなら  山吹色

土曜日の午前中に和田から連絡が入る。

《今日の午後 時間が空いたから、パソコン買いに行きたいのだけど、一緒に行ってくれる》

「誰から?」

「この間会った同級生のヤツでパソコン買いたいからアドバイス欲しいって、午前中は七海と買い物一緒に行くから、 午後は行ってきていいか?」

「うーん いいよ …でも早く帰って来てね、 夕食作って待ってるから」

「わかった、ありがとう!早速返事しておくよ」

《おはよう いいよ 14時にこの間の家電量販店の売場に行くよ》

《助かる ありがとう》

「彰くんと行きたいカフェがあるんだけど 明日は行ける?」

ケータイに気を取られて七海の方は見もせずに答えた。

「悪い、明日は一日中フットサルだ」

「ねぇ彰くん、今日は一緒に買い物行かなくていいよ」

「いいのか?重いものだってあるだろ?」

 七海を見れば悲しい表情で、なんでそんな顔になっているんだ?最近よく見かけるか?

「今日は重いもの買わなくても平気だから、あとで1人で行ってくるよ」

「悪いな」

 七海が作ってくれた昼食を食べて家を出た。

「じゃあ、行ってくるな」

「うん、いってらっしゃい」

14時にパソコン売場へ行くと和田が待っていた。幾つか勧めた中から和田が選んで決めていく。

「神崎さん、こんにちは!」

「よっ!買い物か?」驚いた。同じ会社の中野と隣には同じ会社の子だった。確か経理部の正木さん。

「奥さんですか?」

「いや、同級生だ。パソコン買うのに相談されてさ」

 白い目で中野に見られている気がする。

「オレも相談されて一緒に来ました」

「付き合っているのか?」

「希望ですね」中野の言葉に正木さんは赤くなる。上手くいきそうで微笑ましい。

中野に「頑張れよ」と耳元で囁き、「じゃあ また」と2人に別れを告げた。

 中野達は和田に会釈して、パソコン選びを始めた。

パソコン一式を買い、重いのでオレが持つ。そこで思い至る、「和田は設置出来るのか?」

「出来ると思う?」そうだよな。

「いいよ、設置してやるよ」

「ありがとう。そう言ってくれると思ってた」

「図々しいヤツだな」と呆れて笑った。

 和田の部屋に案内される。思ったよりも可愛いく飾られていた。七海の時とはまた違う雰囲気でピンクがふんだんにある。

早速設置するが、手こずってしまった。

 説明をするとき、 後ろから覗き込む和田の胸が肩に当たる。初めて女を感じ焦りを覚える。

もう18時急いで帰らなければ、と思うが和田は待っている間にカレーライスを作っていた。断りたいが折角作ってくれたので、食べていくことにした。
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