私は彼とあくまでも友達になりたい
図書委員9回目
図書委員9回目。

3月のことだった。
徐々に寒さは和らいできているがやっぱり寒い。

そして、今日で図書室で彰人くんに会うのは最後だった。

なんだか、寂しい。

「…ねぇ、彰人くんはさ。初めての委員会のときのこと覚えてる?」

私はカウンターの隣の席に座っている彰人くんに声をかける。

「当たり前だろ?梨花に名前聞いたのも、英語教えたのも、友達になろうって言われたことも、全部覚えてる。」

嬉しい返事が返ってきた。

「うん。友達になろうって言った。
今はね。友達以上の関係になれたことが嬉しくて仕方ないの。
それに、彰人くんと出会えたから仲良くなれた人もいる。
ほんとに、感謝しても仕切れないよ。
…ありがとね。」

私がそう言うと、彰人くんは「どうしたんだよ、改まって。」と言い、

「お礼なんていいよ。むしろ、お礼すべきなのはこっちの方っていうか…。
それに、俺らはこれから先もずっと一緒だろ?そんな改まる必要なくない?」

と言う。
その言葉が私は嬉しかった。

図書室には誰もいない。

だから、私は彰人くんにキスをした。

「これからも、末永くよろしくお願いします!」
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