あなたの左手、 私の右手。
第8章 ~新しいふたり~
おばあちゃんが亡くなってから、先輩はずっとそばにいてくれた。

いつだって手の届く場所にいてくれて、手を伸ばせば握り返してくれる。

倒れそうになれば肩を支えてくれる。

疲れると抱きしめてくれる。



一人じゃない・・・

告別式の日の朝。先輩の胸の中で目覚めた私は身支度を整えて、おばあちゃんの顔を見つめながらいろいろなことを思い出した。

起きた先輩に想いで話をしていたら、自然と涙が溢れた。
あー、私、我慢していたんだ。
先輩に抱きしめられながら、あふれて止まらなくなる涙に、そう気づいた。
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