プラチナー1st-

「えっ……。デートじゃないの……?」

「だからそんなこと、どうでも良い」

「どうでも良くない!」

和久田が紗子に取り合ってくれないから、つい声が大きくなってしまった。廊下に声が響いてびっくりする。

声の大きさに和久田が目を瞠って、そして紗子はあたりを見回した。……誰も来なかったらしい。来てほしくない……。

「だって、和久田くんが言ったんだよ。『振り向いてくれない人を追っかけてるよりも、好意を持たれる方が心地良い』って。涌沢さんと一緒にいたってことはそう言うことでしょ? もう私のことは気にしなくて良いのよ」

「それ勘違いだから。盛大な」
< 45 / 48 >

この作品をシェア

pagetop