死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
☆☆☆

「お守り?」


翌日の学校で、玲子がそう聞いてきた。


昨日のうちに説明してもよかったのだけれど、追体験ですっかり疲れ果てていた梓は家に帰らせてもらったのだ。


「うん。たぶん、それが気になってるんだと思う」


梓は頷き、パックのイチゴミルクを一口飲んだ。


「じゃあ、それを探し出せばいいわけだな!」


梓の机の前で逆さまになって浮かんでいる厚彦が簡単なことのように言う。


梓はシャーペンと一回ノックした。


イエスの合図だ。


今は教室に生徒たちがいるから、会話はできない。


「とにかく、バス事故が起こった場所を調べて、行けるかどうか考えてみよう」


梓はそう言い、スマホを取り出したのだった。
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