死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「ちょっとやりすぎじゃねぇの?」


厚彦は椅子を放り投げてマミちゃんへ歩み寄っていく。


その後ろ姿は怒りに燃えていた。


それでも、マミちゃんにはそんな厚彦の姿なんて見えていないようで、次の椅子を掴んでいた。


マミちゃんの目は焦点すらあっていないように見える。


マミちゃんがその椅子を投げる寸前、厚彦が手を伸ばして遮っていた。


「うー! うーっ!」


マミちゃんは突然の邪魔ものに怒っているが、ギリギリと歯をくいしばってうめくばかりだ。


それはまるで野生動物のようだった。


「いい加減にしろよ!」


厚彦は怒鳴ると同時に手を上げていた。


「あっ!!」


梓は思わず声を漏らす。


次の瞬間、厚彦の拳はマミちゃんの頬にぶつかっていた。


マミちゃんの体が吹き飛ばされて床に倒れる。


そのときだった、マミちゃんの力が弱まったのか、太陽の光が教室に差し込んだのだ。


その眩しさに一瞬目を細める。


「今ならドアが開くかもしれない!」


厚彦の叫びに反応し、梓がドアへと走った。
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