死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
聞きたいことは沢山あった。


なぜカナさんは自殺したのか。


カナさんの心残りはなんなのか。


でも、どういう風に質問すればいいかわからなかった。


「ここへ来たということは、ある程度カナのことを調べたのよね?」


助け船を出してくれたのはまたも女性の方だった。


「はい。カナさんはその……50年前に……」


「そう。あの学校で自殺したの」


『自殺』という言葉が胸にズシンッとのしかかってくる。


まるで鉛を飲み込んでしまったかのような感覚だ。


「その原因を探っているの?」


聞かれて、梓は曖昧に頷いた。


正直、カナさんの無念がなんなのかまだわかっていない。


だから、ハッキリとした返事もできなかった。


「私も、原因はまだわからないのよ」


「そうなんですか?」


梓の質問に女性は頷く。
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