Romantic Mistake!

颯介さんへの申し訳なさでいっぱいになったが、またボスに向き合うとこっちの深刻な問題のせいで頭が痛くなった。

契約印を失くすなんて前代未聞だ。あれがなければ契約ができないし、印鑑を紛失して変えるにしてもさまざまな手続きを踏む必要がある。しかも、明日の朝イチで契約に使う予定があったはずだ。

「どうするんですかボス……一緒にケースに入っていた役職印は? それと二本セットになっていたでしょう?」

「今日は役職印は使わなかったから、そっちはあるぞ。契約印は押した後ポケットに入れたはずなんだがどっかいった」

「ポケットに入れた!? なんで使ったら元の場所に戻さないんですか! 二本セットでケースに入れて、朱肉と一緒に巾着に入れて、そしたら鞄のインナーポケットにしまってチャックを閉じろといつもいつもいつも……」

「はいはい、わかったって。今探してるからそんなに怒んなよ」
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