極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
「すみません。すでに第二の兄はいるので、滝川さんは第三の兄になりますね。では、失礼します」
ニコッと笑ってそう言ったら、滝川さんはポカンとした顔になる。
ひとり海外企画室に戻り、午後も仕事をこなして今日は定時でパソコンの電源を落とした。
「じゃあ、お先に」
朝井くんに挨拶すると、彼はニコニコしながら返した。
「今日、服も凄いお洒落ですけど、デートですか?」
優の御用達のブランドショップで買った黒のワンピを早速着てきたのだが、お洒落な彼にはすぐにわかるらしい。
「だから、彼氏いないって。もう今日は家に帰るだけ」
「何か勿体ないな。今度飲みに行きましょうね」
「私は食べるの専門だけど。じゃあ、また明日!」
バッグを手に持ち、会社を出ると近くのコンビニでおにぎりと梅酒とポテトチップスの梅味を購入し、タクシーで優のマンションに帰る。
「あー、優が帰るまで自由だあ」
玄関でパンプスを脱いで上がり、シャワーを浴びて下着姿でリビングへ。
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