Zircan

「はぁ、何してるんですかあなたは」

そう聞いてくる人の顔は呆れていた

「仕方ないだろ、俺の能力が効かなかったんだ。その上リーダーまで来られたら俺には1ミリの勝算もないだろ。俺の能力は戦闘向きじゃないんだ」

言い返すのは先ほどまでサミュアと話していた青年だ
いつの間にか消えていたと思っていたが実際は屋根の上に登っていた

「ライアス、勝手な行動は控えて下さい。俺にも支障が出てしまうでしょう」
「サイガスはもう少し優しくした方がいいぞ」
「分かってますか?俺たちは依頼されて動いているんです」
「分かってるよ。だから手っ取り早く弱っていたやつから説得させようとしたんだろ」

この2人の依頼主はもちろん政府である
2人は探偵で依頼内容というのがジルカンの捕獲だった
そしてこのライアス=テルリッシュは交渉術の持ち主である
この能力は催眠術のようなもので、話していると相手が自分の思うままになってくるというものだ
だがサミュアには最終的には効かなかった

「効かなかったのは予想外だ。もう少し簡単だと思ったんだが」

サミュアは用心深く感が鋭かったがためにライアスに不信を抱き能力が効かなかった

「だからもう少し考えてから行動して下さい。とりあえず一人で動かないことを心がけて下さい」

このライアスと一緒にいる男はサイガス=ケイルア
能力は意識した人物を探し出すことができるサーチ
この能力は探したい人物や物であれば何処にいても詳しく見つけることができる
よって彼も戦闘向けではない

「でもライアスの能力が効かないのであれば、これ以上は無理ですね」
「そうだな、戻るか」
「はい」

依頼達成が困難だと思った2人は元の街に戻って行く
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