Zircan
体重の軽いサミュアは海まで飛ばされてしまった

「プはっ_はぁ、ウッ」

敵も海に飛び込んできて水面に出たところで体をガッチリと掴まれた
5メートルはある体格なので他のパーツも大きく、片手だけでサミュアの体を覆えるほどに大きくて逃げることが出来ない
そのまま海を深くまで潜って行く
サミュアは必死に逃げようとするも敵のパワーは強く、息がだんだん苦しくなるばかりだ
それに比べ敵は息をしていないかのように余裕で深くまで進んで行く
とうとうサミュアに限界がきた

「ゴポッ」

だんだん意識が遠のいていく
遂に体が動かなくなってしまった
サミュアの状態を認識した敵は急いで海から上がる
そしてサミュアを脇に抱え、リオたちがいる方まで歩く
リオの目の前まで来ると喋り出した

「イマカライウコトヲヨクキイテイロ」

まるで機械が話しているような声でいう
まだ意識があるリオに今度は人が変わったような声が聞こえてきた

「やあ、久しぶりだね」
「その・・・声は、クライル=ラスタムドか」
「ああ」

クライル=ラスタムドとは現在政府のトップに君臨している男である

「無様に負けているね、どうだい?私たちの新兵器は。お前たちを捕まえるためだけに造られたんだ」
「ふざけんな」
「悪いがこの娘は預からせてもらう。返して欲しければ、今まで盗んだものをあるだけ持ってこい。場所はわかるだろ?」
「サミュアに手を出すんじゃねぇぞ」
「それは君次第だよ。なるべく早く来ないと君たちが見捨てたと勘違いして殺してしまうかもしれない」

そこで声が途切れた

「くそっ」

同時に新兵器と言われた物も去っていった
その直後限界だったリオも意識を失った
< 24 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop