Zircan
リリアムは洗いながらもサミュアに話しかける

「予定より少し遅くなったけど、リオが明日宝を奪いに行くって」
「えっ」
「今回はサミュアはお留守番かな」
「いっ嫌だ、私も…」
「無理しない、傷を治すことが優先だよ」

心配そうなリリアムの顔にサミュアは何も言い返せなくなってしまった
これ以上我儘を言えば迷惑をかけてしまうと分かっていたから
今の私は一人では何もできない

「そうそう、一番年下は甘えていたらいいんだよ」

リリアムはこの中で一番年上でお姉さんみたいな存在だ
エルラミアが浴槽から桶にぬるま湯を入れてきて、それでリリアムがサミュアの髪を洗い血がついている部分をタオルで拭いていく
包帯を1度外し、血を拭いていく
傷の部分も拭かないといけないから、しみるのか途中痛そうにしていた

「終了」
「ありがとう」
「ほらもう寝ようよ」

エルラミアが急かす

「いいよ、電気消して」
「消しまーす」

途端に真っ暗になる
そして3人とも眠りに入る
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