もうこれ以上、許さない
それでも…
学費の返済や事故の責任を取るまでは、消えるわけにはいかなくて。

だけどここにいるのは辛すぎて…
それからのあたしは、せめてこの町から消えたいと。
どこか遠くに逃げたいと、思うようになっていた。


そんな時。
風人のご両親のところへ、2回目の支払いに行くと。

「この前は、芽衣ちゃんの顔を立てたのと。
あなたの気持ちをくんで、いったん預かる事にしたけど…
やっぱりこれは受け取れないわ」
と、前回の分と一緒に突き返される。

「お金の代わりに、君も息子の事は忘れてくれ」

それは、何より残酷な償いで…
忘れようとして忘れられるくらいなら、こんなに苦しんだりしない!

殊更(ことさら)、この町には風人との思い出があふれてて…
あたしはすぐにでも、遠くに逃げようと思った。


*
*
*

「それでここに辿り着いて…
せっせと学費を返してるってわけ」
そう笑ったつもりが…

急に立ち上がって隣に来た誉に、ぐっと抱きしめられる。

「ちょ、誉っ…
こういうのはっ」

「親友としてだから!
ごめん、ほっとけない…」
そう言ってさらにぎゅっと力がこもる。

ほっとけない?

気付けばあたしは…
泣いていた。


「月奈のせいじゃない。
月奈は何も悪くない」
護るように髪を撫でられて…

思わず甘えたくなったものの。
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