もうこれ以上、許さない
「…まぁいい。
とにかく、誤解ならしっかり解いておけっ。
帰るぞ?」
とお母さんにひと声かけて、すんなり引き揚げようとした。

「待ってお父さんっ、お母さんも…
…その、迷惑ばかりかけて(●●●●●●●●)、ごめんなさいっ」
そう頭を下げると。

ふう、とお父さんのため息が聞こえた。

「お前、明日も仕事か?」

「えっ…うん」

時間的にも距離的にも、恐らく一泊するんだろう。
せっかくだから観光案内でもしたいとこだけど、明日も仕事だし。
せめて夕食くらいは一緒に食べたいとこだけど、色々訊かれたらボロが出そうだし。
なにより、あたしといたら楽しい気分が台無しになるだろうから…
それ以上何も言えなかった。

すると。

「…そうか。
じゃあしっかり頑張れ。
それと…
これ以上心配かけたら(●●●●●●)、許さんからな?」
優しげな声でそう言って、照れ臭そうに立ち去ったお父さん。

えっ…
心配、してくれてたんだ?


あたしは、胸がたまらなく熱くなるのを感じながら…
見えなくなった背中を、追い求めるように見送った。



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