もうこれ以上、許さない
そうして、少し落ち着いたあたしは…
お礼と報告のために、誉を食事に誘い出した。


「今まで本当に、ありがとね」
乾杯のあとそう告げると。

「それで今日誘ってくれたんだ?
だったら気にしなくていいよ。
大した事してないし、俺がしたくてした事だから」

「ううん、誉にはもうどれだけ助けられた事か…
ほんとに、感謝してもしきれないくらいだよ」

「じゃあ見返りに何してもらおっかな。
前の、力になれる事があったらって話、考えとくって言ったままだし」
とイタズラな笑顔が向けられる。

ー「あたしにも力になれる事があったら、なんでも言ってね?
もちろんっ、出来る範囲でだけど」
「ありがとっ。考えとく」ー

「あ…
いーけど、ほんとに、出来る事だからねっ?」
そういえばと思い出すも。
何をリクエストされるのかと、若干戸惑う。

「冗談だよっ。
もしかして変な想像した?」

「してないよっ。
も〜お、からかわないでよっ」

ごめんごめんと笑う誉に、あたしもクスリと…
営業スマイル以外で、久しぶりに笑った。

そんなふうに誉のおかげで、ちょっとずつ気持ちが明るくなって…
2人して、運ばれてきた料理を楽しんだ。


だけどこの楽しい空気に水を差す、もう一つの目的の報告もしなきゃいけなくて…
頃合いを見計らって、それを切り出す。
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