雨の巫女は龍王の初恋に舞う
終章
 次の朝。まだ暗い中、神楽の舞台の上には、龍宗と璃鈴の姿があった。

 強い雨の降りしきる空を見上げて、龍宗がすらりと腰の剣を抜く。研ぎ澄まされた刀身を、雨が水滴となって滑り落ちていった。その横には羽扇を持った璃鈴が寄り添う。濡れてもいいように、羽毛のついていないものだ。

 璃鈴の視線を受けて龍宗が頷くと、璃鈴も笑んで頷く。

 そうして二人は、静かに舞い始めた。

 始まりの舞。

 いつか璃鈴の部屋で二人で舞ったあの舞だ。

 この舞は、もともと夫婦が対となって舞うものだ。雨を呼ぶ巫女と、太陽を呼ぶ龍の血筋をひく者がこの舞を舞ったとき、伝説にあるように天の理さえ動かすことができるようになるという。
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