雨の巫女は龍王の初恋に舞う
 長雨の影響は、農作物だけでなく治水にも影響し始めていた。最近は、山の近くでの土砂崩れも多くなっていると聞く。

 飛燕は、心配そうな春玲の言葉に、空を見あげた。

「少し、手伝いましょうか」

「え?」

「まだ覚えておられますか? 始まりの舞を」

 春玲も璃鈴と同じく、始まりの舞はその身に沁みついている。戸惑いながら春玲は、ええと答える。

「けれど、私が始まりの舞を納めたとて、皇后様ほど天をお慰めできるとは思えません。ましてや、この雨では私が役に立つことは」

「試してみましょうか」
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