サンタクロースに恋をした
「すっきりした?」
「へ?」
「なんか、落ち込んでたように見えたから、あの時。まあ、そんだけ泣けばすっきりするか」
「…………うん、映画もすごく面白かったし、あ、なんかまた泣けてきた」

 映画に感動した、というのももちろんのこと、安藤の気遣いに、優しさに、心が揺さぶられて、目の奥が熱くなってくる。

 だけどそれを安藤に知られのは恥ずかしさと悔しさがあって、だから、100%映画のせいにする。

「な、良かっただろ? たかがアニメ、されどアニメだ」
「そうだね」

 今回だけは素直に安藤に感謝しないと。
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