サンタクロースに恋をした
 数日後。彼女が2年前のお礼ををしたいから部室に来て欲しいと、姉さんから伝えられる。

 律儀な子だな、と思いながら部室に向かうと、すでに彼女の姿があって、窓の外を見ていた。

 見ていると、こっちを向く。

「姉さんから聞いて来たんだけど、わざわざ2年前のお礼を買って来てくれたって」
「あ、はい。苺大福好きな友達がいて、その子に教えてもらった苺大福なんですけど」
「え、苺大福……?」

 苺大福……苺と餡子の絶妙なハーモニーが最高の、僕の断トツ1位の和菓子。

 初めて食べた時のあの衝撃は今でも忘れられない。何気なくコンビニで買った苺大福、特に期待しないで食べたあの瞬間。つい「うまっ」と声が出た。

「これ」

 ロゴのついていない紙袋から見ると、どこかの個人の和菓子屋のものだろうか。

「食べてもいい?」
「は、はい」

 袋の中を見ると、隠されていない苺がまずは目に入ってきて、その苺の大きさと言ったら贅沢すぎる。

 手に取ると、餅の柔らかい感触が気持ちいい。見た目からでも分かるその美味しさ。

「じゃあ、頂きます…………うん、美味しい。その友達、すごいね。ぜひ知り合いたいよ」

 こんな苺大福を知っているなんて、きっと相当の苺大福好きなはず。

「えっと……」
「連絡先、教えてくれないかな?」
「聞いてみますね」
「うん、よろしく」

 まだまだ僕の知らない苺大福について知りたいと単純に思う。

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