崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
回廊の開口部からは真っ青な空が見える。こういうよく晴れた日は人の出が多く、それに伴う窃盗や暴行のトラブルも増える。
「閣下、どうされたんですか?」
突然立ち止まったレオナルドに、後に続くグレイルが訝しげな視線を向ける。
「グレイル。俺は少しだけ、帝都内の警備の視察に向かう」
「え? 今からですか? 今日は今年の新入団騎士が集まる日ですよ」
「わかっている。すぐに戻る」
レオナルドはそう言うと、踵を返してワイバーン──軍用に使われる小さなドラゴンの飼育小屋へ向かう。
「ザイル。視察に付き合ってくれ」
自身の相棒であるグレーのワイバーン──ザイルの鱗に手を伸ばすと、ザイルは目を細めグルグルと喉を鳴らす。
「閣下、どうされたんですか?」
突然立ち止まったレオナルドに、後に続くグレイルが訝しげな視線を向ける。
「グレイル。俺は少しだけ、帝都内の警備の視察に向かう」
「え? 今からですか? 今日は今年の新入団騎士が集まる日ですよ」
「わかっている。すぐに戻る」
レオナルドはそう言うと、踵を返してワイバーン──軍用に使われる小さなドラゴンの飼育小屋へ向かう。
「ザイル。視察に付き合ってくれ」
自身の相棒であるグレーのワイバーン──ザイルの鱗に手を伸ばすと、ザイルは目を細めグルグルと喉を鳴らす。