御曹司は魔法使い⁉︎

〜夫婦の時間〜

「花、大人気だったな。」

「有難いよね〜。
皆さん集まってくださってたなんて。」

「コーヒーハウスの看板娘だったもんな。
A terraceの考案者も花なんだし。
当然のことだ。
病院のスタッフ皆んなに憩いの場を提供したんだから。皆んな花に感謝してるんだ。」

「…寿貴先生…」

そう言ってもらえると、やってきた事が間違いなかったんだと思えるから嬉しい。
でもこうやって、自宅に戻ってきて、また家族3人に戻ると、やっぱり外に出る事について、少し躊躇する私がいる。
少し考え事をしていたからかもしれない。
突然、寿貴先生が言った。

「まだ産後1ヶ月だ。個人差はあると思う。
でも、子供から離れたくなくて当然なんだよ。焦らなくていい。花が社会復帰したくなれば全力でサポートするし、ずっと家に居たければ、居たらいい。」

「……」

「え、…お、おい。
俺泣かせるような事、言ったか⁇」

私の変化にオロオロする寿貴先生。
寿貴先生の言葉が優しくて、嬉しくて、ただでさえ涙もろくなっているのに、ダメだよ〜。
なんで言葉にしていないことまで理解してくれているの?
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