ワタシの勘は鋭い




冬。
窓から雪が降っているのが見えた。


「はぁ〜!!今日で仕事納めだ〜!!!」


腕を真上に伸ばし時計を見ると20時半


今日は職場の忘年会がある。


「ヤバっ!20時からじゃん!!!」

急いで業務を終わらせて支度を済ませ居酒屋へ向かう。


先に仕事を終えた同期や上司たちと、顔は見たことあるが声を聞いたことない男の人がひとり。


「マヤちゃんは、ハルさんのとなりね!」

そう言われ彼の隣に座り声をかける。
名前は、ハル、らしい。

黒髪のマッシュヘア。
ピンクのニットがとてもよく似合っていて
少し酔っ払っているのか顔が真っ赤だった。


「ハルくん、はじめまして。」


「マヤさん初めて話しますよね!ぼくたち同い年なんですよ、知ってましたか?」


「知らなかった」


「僕は知ってたのにな〜寂しい〜」



初対面でこの喋り具合。
この人はただお話が好きなのか
女の子の扱いに慣れているのかどっちか
そう思うのと同時に
私はこの人とどうにかなる、と感じた。


いつもの勘だ。





距離を縮めるのが上手いハルとはすぐに仲良くなった。


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