大嫌いな千瀬くんに、好かれました♡!?〜君に溺れる365日〜
これから、俺は多分、今にない幸せをもらうんだろうな。

 結輝と千瀬みたいに、溺れて、溺れさせたいな。


 なんつって。



 そして、幸と七海と結輝と千瀬と輝絵と家に帰った。





 家に着いてからは、俺の部屋に輝絵を入れて、話を聞く事にした。


 いつもいつも、どうしてこうなったと聞くと、

“今度”


と言われていた。


 でも、今日は違う。


「話してくれ」

「はい」



「私は、親を中学生の時に亡くして、親友と3人でバイトをして養ってきました。

これと言ったできない事はなかったからでした。養えてきたのは。

でも、私は親友しか信用していませんでした。


まぁそれで学校に行ったら、いじめが酷かったので、爆発して暴力振ったら、クラスの親友以外全員気絶してて、最終的に先生殴って退学になりました。



信じていた親友は、クスクス笑い、まるで全てを知っているようでした。


親友と家に住んでいた私は、家に帰れなくなり、こうなったのです。」

「話が重いな」

「え?その割には反応軽くない?」

「そんなに考えて欲しくないだろ」



 そんな事があったのに、あんな笑顔を……。

「輝絵」

「なに?」

 言っていいのかわかんないが、まぁいいだろうと思い、

「生憎、暴走族が増えていて、被害が出ている。そいつらなら、殴っても蹴ってもいいぞ。ただし、俺がいる時にな」

「え?それってつまり?」


 そう言う事だ。

「暴走族を殴って、ストレス発散しろ。今までのも、これからのも」

「やったー!」

「ただし、なんかあった時の為、俺も一緒の時にな」

「ふふっ。はーい!」

 嬉しそうに微笑む彼女は、“愛しいもの”と言うのがものすごく伝わってきた。




「輝絵、好きだ」

「へ……?」


 そう言って口付けた事なんて、誰も知らない。
< 429 / 588 >

この作品をシェア

pagetop