お見合いは未経験
「恥ずかしそうだね。たまんないよ。」
「炯、さぁん…っ…」

鼻にかかったような甘えた声は、こんな時くらいしか聞けない。 

いつも、なんでも、つい我慢してしまう葵だからなおさらだ。

そっと指を差し入れて、葵の好きなところを探る。
「気持ちい?」

炯の指を逃すまいとして、中がきゅっとしているから、気持ちいいことなんか、分かりきっている。
それでも、聞かずにはいられない。

返事はさすがにできないようで。
それでも、必死で頷く様子が可愛い。

しとどに濡れているそこを、さらに探って声を上げさせる。
それくらいしないと、葵は理性を飛ばしてくれないから。

「…あ、んっ…やぁあんっ…」
「イって?」

気持ちの中ではこっちの理性なんて、とっくに飛んでいても、敢えて冷静にすると、葵が潤んだ目で見てくるのが堪らない。

何度も、何度もイかせたくなる。
まあ、実際、何度もいかせる訳だが。
そこで、甘くねだられるのが、好きなのだ。

「お願いっ…もう…」
「もう?どうしたの?」
「して?」
これが、たまらない。
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