お見合いは未経験
「けれど、寂しい思いをさせたい訳じゃない。寂しい時は寂しいと言っていいし、聞いて欲しい時は聞いて、と言っていい。ずっと、一緒にいるから察してあげられることもあるけれど、そうじゃない時もあるから。」
「はい…。」

時間はかかったけれど、真奈はやっと結婚するのだ、と自覚出来た気がする。

お見合いから、結婚を前提にとは言われてはいたものの、なかなか実感できずにいた。

それが、貴志の今日の言葉でやっと実感できた気がするのだ。

頼りにできる。
寄り添える人だ。

お見合いから短い期間にいろいろあったけれど、貴志はいつも、一貫して真奈を大事にしてくれていた。
本当はお見合いは、お断りしようと思っていたのだ。

けれど、お見合いに現れた貴志は、素敵で好みで。
それでも断るつもりだった。
だから、初恋は叶わないものかと、そう真奈は思ったのである。

けれどそんなことはない。

「そうだ、真奈。今の会社、結婚休暇をもらわないかわり、早めに退職しようと思っているから新婚旅行、どこ行くか考えようね。」

考えておいてね、ではなく考えようね…。
そう伝えてくれる貴志が好きだ。
真奈のペースでも、真奈を置いていかない。

「貴志さん、大好きです。」

くすっと笑われる。

「顔が、ではなさそうだね。」
顔ももちろん好きですけど。
「愛しているから、一緒に幸せになろう。」

はいっ!

心からの笑顔で、真奈は返事を返した。



✽+†+✽―END―✽+†+✽


※こちらで、完結です。
ありがとうございました!<(_ _)>


※このあと、ちょっとえちえちなおまけのお話を足したいと思います。
よろしければ、ご覧下さい。
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