私達には、関わらないで!!

···理・ゆかり


芽依と陽菜乃が
悠真君の元に行ってから
気が抜けたように寂しかった。

それは、ゆかりも同じで
ソライルの中も静に感じてしまう。

芽依が気を使ってくれているのか
電話をかけてくれて
陽菜乃と話すきかいをもらっている。

土曜日に
兄さんと義姉さんが
ソライルへやってきた。

ゆかりが二人に挨拶をしている。
義姉さんとは何度もあっているが。
兄は、
「理、ゆかりさん
芽依を助けてくれて
芽依を守ってくれて
陽菜乃を大切にしてくれて
ありがとうございます。
愚かな父親で
申し訳ありませんでした。」
と、言って頭を下げた。
「まぁ、最初は腹も立った。

身重の芽依を追い出すなんて、と。
だけど、芽依が来て
陽菜乃が産まれて
毎日が楽しかったんだ。

今、かなり寂しいぐらいに。
兄さんが追い出してくれた
おかげだな。」
と、言うと
「それ、慰めになってませんよ。」
と、義姉さんに言われて
四人で笑った。

兄から初めて
俺より頭の良いお前が教師に
ならない事に嫉妬していた
と、聞かされて驚いた。

「頭は知らないが
人にものを教えるより
俺は、料理を作る事が
好きだからな
兄貴から勉強習うとき
分かりやすかったから
やはり、兄貴は先生向きなんだよ。」
と、言うと
頭をかきながら照れる兄貴を見て
また、笑ってしまった。

それからは、俺の作った
料理を食べてもらうと
「美味しい。」と、連発していた。

俺達が和解できたのも
芽依のおかげだな
と、四人で話した。

四人で話しているときに
義姉さんが
「ゆかりさん、もしかして?」
と、言うから、なんだ?と思っていたら
「実は····
と、言って俺を見る
ん?と思っていたら
「赤ちゃん、いるみたい。」
と、言うから
「えっ、ええっ!!」
「おめでとう」と、義姉
「おめでとうございます。」と、兄
「ほっ、本当か?ほん··とう··か··」
と、尻すぼみになり涙がでる。
「うん。産んでもよい?」
と、言ってエコー写真を出した。

俺は、その写真を手に取り
「どれ?どこ?」
と、言うと
ゆかりと義姉さんが一緒に
教えてくれた。

ゆかりは、
「私と理さんをこうしてくれたのも
芽依ちゃんなんです。」
と、二人に話していた。

俺は、エコー写真を
ずっと見ていたら
三人に呆れられていた。


七ヶ月後に
理伯父さんとゆかりちゃんの
間には、元気な男の子が産まれた。

前園 大(まえぞの たい)君
大きく育って
大きな人になってほしいと。
だけど、«だい»ではなく«たい»。
それは、それは、
優しいパパとママ。

年末には、石川のお義母様の家に
なぜかみんな勢揃いしている。
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