【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
 うわ。
 うわあああ!
 今、この人ナチュラルにキスしたよねっ?

 ようやく頭に事実が伝達され、私はキスされた頬に手をあてる。
 隠岐さんは愛おしそうに微笑むと手ごと、私の顔を包み込んだ。

「ひかる、好きだよ」

「な、ななな……!」

 あらためて言われたけど。
 彼に私を好きになる理由がない。
 あ、そっか。

「……あの。見合いを断って頂いてもオファーは受けますよ?」

 相手に気分よくさせるためとはいえ、仕事のたびにプロポーズしてたら、大変なことになる。
 だから、私にはそんな戦術使わなくていいよ。
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