【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
 玲奈ちゃんは私に怒られるのがわかっていたせいか、しばらく多賀見の本宅に帰ってこなかった。

『ひかる、貴女を口説く』という宣言とおり、私が隠岐さんに怒涛のごとく押しまくられた数週間後、ようやく玲奈ちゃんが姿を見せた。

「玲奈ちゃ~ん……」

 リビングに入ってきた彼女をうらめしげにみつめた私に、玲奈ちゃんのあははとわざとらしい笑い声が被る。

「ごめーん、ひかるちゃんもそろそろ恋してもいいかな、って思ってぇ〜」

 謝りつつ、ちっともすまなそうではない。

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