アタシと秘密の王子さま
キスと紅茶の香り
好きな子とキスすることが、こんなに幸せだなんて、思ってもみなかった。
腕の中のあかねは小さくて、柔らかかった。

山田や早川、ノブさんですら、彼女に近づくとイライラしていた。この数週間、ずっとそんな感じだった。
美花さんじゃないけど、小学生みたいだったな。

先週の飲み会の翌日、帰ると言った彼女を、素直に帰してしまったのは失敗だった。
あれから一週間、俺には苦悩の日々だった。

あの日以来、あかねが俺に近づこうとしなくなった。
おかげで、稽古の時には声をかけることも憚られた。

それでも、会社では、いつも目であかねを追いかける。家に帰ると、あかねが何をしてるのか、気になって仕方ない。電話したい、声が聞きたい、触れたい…

寝ても覚めても、あの日のあかねの姿がチラついた。
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