アタシと秘密の王子さま
二人だけの場所
うとうとと、気持ちいいまどろみの中、いつもと違う香りが鼻腔をくすぐる。

フローラル系の香りと、男性的なスパイシーな香り。
あったかくて、気持ちいい、安心する匂い。

ゆっくりと覚醒して、目を開ける。
突然飛び込んでくる、見慣れない壁と天井。
ガバッと起き上がって、辺りを見回す。

誰かの部屋だ…ここ、誰の家?ゆうべ、あたし居酒屋にいて、それからどうしたっけ?

全く思い出せなかった。

ドアが開く音がして、あたしは身構えた。

「小林?起きた?」
「鳥越くん!?」

改めて自分の体を確認する。
あれ?Tシャツ着てる…
いつのまに着替えたの?
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