君と見る空は、いつだって青くて美しい



「希空ちゃん」


 そこには真宙くんがいたから。


「嬉しいな、昨日に続いて今日も希空ちゃんに会えるなんて」


 真宙くんは満面の笑みを浮かべてそう言った。


「……真宙くん、どうしてここに……?」


 私は驚きの気持ちが治まらないまま、真宙くんにそう訊いた。


「う~ん、どうしてか……どうしてだろう……って言うのは冗談。ただ散歩してただけだよ」


「散歩……?」


「うん、散歩。オレ、時々この公園に散歩しに来るんだ。運動不足解消も兼ねて」


「そうなんだ。……私も、時々この公園に来るんだ」


「えっ、そうなのっ? それ、すごい偶然っ。なんか、すごく嬉しいっ」


 真宙くんは純粋な子供のような笑顔をしてそう言った。

 そんな真宙くんを見ていると、私は少しだけ照れくさくなった。


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