君と見る空は、いつだって青くて美しい



 あ……真宙くん、今の流行りに疎いと言ったということは……。


「そうなんだ。あ……えっと、じゃあ、真宙くんは、真宙くんのお母さんやお父さんたちの世代の歌手や曲に詳しいとか……?」


 珍しく私は、グイグイと他人に質問をしていた。

 どうしてこんなにも積極的に他人に質問することができているのか、自分でもわからないし、何よりもそんな自分に驚いていた。

 いつもの私なら、質問をしようと思っても、なかなか言葉が出てこない。

 なのに、今日の私は質問をしようと思ったことをそのまま言葉にすることができている。

 それは、私にとって大きな進歩。

 …………。

 ……進歩……。

 ……進歩……?

 これは本当に進歩なのだろうか……?

 私は、本当に他人と……誰にでもそのようにできるようになったのか……?

 ……ううん。

 たぶん……たぶん、できない。

 きっと……きっと、これは……。

 私が今日、このようにできているのは……たぶん……。


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