厳島に散ゆ~あんなに愛していたのに~
 1月11日に御屋方様を総大将とする大内軍本隊は、副将の私および後継者の晴持さま、その他重臣たちを大勢引き連れて出陣した。


 その後厳島神社(いつくしまじんじゃ)のある宮島(みやじま)へ上陸し、戦勝祈願。


 宮島から安芸へと渡り、そこで毛利など安芸の豪族たちの軍勢と合流。


 総勢四万強の大軍勢は、ゆっくりと出雲へと向かい進軍したのだった。


 尼子の居城、はるか月山富田城までには尼子配下の城がいくつか存在し、我々の行く手に立ちはだかる。


 それらの抵抗に予想以上に苦しみ、ようやく出雲の国へと足を踏み入れたのは四月。


 すでに季節は冬から春へと移り変わり、桜も散っていた。


 やっとの思いで出雲へ進出したものの、月山富田城まではまだまだ距離がある。


 途上、尼子配下の城を一つ一つ攻略しながらの進軍ゆえ、なかなか前へと進めない。


 四万を越える大軍勢が先へ進むためには、食料の確保も必要不可欠。


 兵糧を運び込むための道を整え、保管するための場所も必要となるがゆえ、戦闘行為以外に余分な時間がかかる。
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