今夜はずっと、離してあげない。
華麗な立場逆転劇に驚く間もなく。
「それで?なんで俺じゃなく千井を連れてったんだ」
尚も千住サマの追求は続く。
「え、と、だから、目が、」
「目の話はわかった。でもそれだけじゃないだろ?どーせ」
「……しいかなって」
「なんて?」
「……っだから、図々しいかなって、思ったんですよ!!」
遂に、逆ギレに近い感じで叫び返してしまった。
訳もわからない恥ずかしさと、なんでこんなに怒られなきゃいけないの?という疑問で。
「泊めてあげてる側ですけど、それに見合うほどの対価はもう支払ってもらってるので、さすがにこれ以上は図々しいかなって思っただけです!!」
「対価って、なに」
「それは─────、」
勢いで吐き出されようとしていた言葉を呑み込んで、急いで頭をフル回転させる。
「い、いろいろと、お世話してくれてる、ので」