今夜はずっと、離してあげない。
お熱な夜





周囲がやった!とか、げえっ、とかいう声を出している中で、私と隣にいる彼はひたすらに沈黙していた。



「………、オマエ、カンニングでもした?」

「いやしてないですよ。私の努力の賜物です」



目の前に貼り出されている紙。
それは、この前受けた期末テストの結果。

上位30名。
その中に─────千住サマと私の名前が、並んであった。


千住サマは15位。私は16位のまさに大接戦。

前までは70位付近を彷徨ってた割には、結構頑張った方じゃないかな?



「………オマエ、こんな頭よかった?」

「いや、全然。煽った方もそれなりにいい順位取らなきゃなって思っただけです」



だれにもみられないように、がんばっていたから。

……だから、私もがんばらなきゃって思って、上位者である凛琉に頼んで放課後にちょこっと勉強を見てもらったりしただけ。


まさかこんなにもいい順位を取れるとは思ってなかったけどね。



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