バカな君へ、贈る愛

珠華side


「そんなに苦手なんだな、勉強」



放課後。

授業を終えて、わたしは家に帰った後に宿題をおうくんに見てもらっていた。



「苦手、です……」



「頭良さそうに見えるんだけどなぁ」



……よく言われる。
でも、実際は良くない。ぜんっぜん良くない。


人は見かけによらないっていうけど、わたしのこういうとこだなんて、本当にそう思うんだ。


なんなら、頭悪そうな見た目の方が良かったなぁ。
そうした方が、期待されなくて済むし。



「なあ」



「何?」



「特に苦手な教科って何?」



「えぇっと……理数系? いや、漢字書くのも苦手だし……。まず、得意な科目も家庭科だけで、後はなんにも」



普通の人だったら、漢字が得意な文系、理科が得意な理系、とあるけれど、わたしはどの部分にも分類されない。


なぜか、家庭科のテストだけは平均点以上の点数を取ることが多かったりするけれど、5教科には分類されないから、そこで高得点をとっても、お父さんは褒めてくれなかった。



「そっか」



「お、おうくんは……?」



「俺? 勉強は、まあできる方かな」



「やっぱ、すごいね」



「勉強なんかできても、特に俺はなんも感じねぇよ」



「ううん、勉強できた方がいいに決まってるもん。将来どんなものになりたいかとか、そういった範囲だって広がるわけだし」



「んー……。なりたいものになったって、幸せになれるんかなぁー……」



なれるよ、と言いたかったけれど、おうくんはなぜか顔をしかめていたのが気になってしまった……。




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