惚れたら最後。
こんな美青年と付き合っている事実に信じられないと思う時がある。



「久々のふたりっきりだな、嬉しい?」

「……嬉しい」



だけど向けられる笑顔は本物だ。

自分にしか見せない人懐っこい笑みを前に、愛されている優越感に浸る。



「変わったな、琥珀。ずいぶん素直になった」

「そういう絆は変わらないよね」

「変わったよ。年々琥珀のことが好きになって困ってる」



甘い言葉をかけながら近づいてきた絆は、流れるような動作でキスをする。


「っ……」


……ああ、もう。ほんとずるい。

唇を重ねるだけのキスなんて、もう何百回しただろう。

それなのに一向にときめきが止まらなくて赤面してしまう。



「で、琥珀はいつになったら俺に慣れるんだ?」

「……勘弁して」

「ん、かわいい」



じっと見つめられてたまらず顔を手で覆ったら、頭をポンポン撫でられた。

余裕が出てきた絆と成長しない自分。比べるとなんだか悔しい。

絆の前ではとっくの昔にポーカーフェースは崩壊していた。
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