惚れたら最後。
「お姉ちゃん大丈夫?うなされてたよ」



馬乗りになって顔をのぞき込む星奈。

私は安堵とともに、その小さな身体を抱きしめた。



「ごめんね星奈、心配かけちゃって」

「体調悪いの?」

「大丈夫、悪い夢を見ちゃっただけだから。
ありがとう起こしてくれて」

「じゃあ今日いっしょにイルミネーション見に行ける?」

「うん、楽しみにしてたもんね。そろそろ準備しようか。
……あれ、流星は?」

「なんかつかれたって言ってねてるよ。
イルミネーション楽しみにしてたから、はしゃぎすぎちゃったみたい」



そう言われ、星奈を抱っこしながら子ども部屋に入った。

流星はすやすやと眠っていたので起こそうと手を伸ばしたら、その途端に飛び起きた。



「おはよう琥珀!もう出発するの!?」

「……流星、ほっぺた真っ赤だよ。熱あるんじゃ───」

「起きたばっかりだからだよ。熱なんてないから大丈夫。
おれこの日を楽しみにしてたんだ!琥珀、いっぱい写真とってね」



笑顔で部屋を飛び出した流星は、支度をするために別室にあるウォークインクローゼットに走っていった。

30分後、準備を終えた3人は日没の1時間前に家を出た。
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