惚れたら最後。
そういうと突然唇を奪われた。

ビックリして押しのけようとしたけど、絆のたくましい身体はびくともしない。

絆はしばらくキスを堪能すると口を離し、笑った。



「……ちょっとは上手になったな、鼻で息するの」

「まさかこんなことするために流星から私を引き離したなんてありえない。
さすがヤクザね、やること成すこと最低じゃない」

「だから、そんな顔で言っても煽ってるだけなんだよ。
嫌なら本気で拒んでみろ」

「嫌い……大っ嫌い」

「まだ嘘つくのか?可愛いやつ」



もうダメだ、全部見透かされてる……。

観念した私は絆の押しに負けてしまい、解放されたのはそれから3時間後のことだった。





「琥珀、水」

「……ありがと」



3時間ぶっ続けで体力が限界に達し、絆がグラスに入れて持ってきた水を飲み干してぐったりとベッドに沈んだ。

絆は横にならず、隣に座ってスマホを取り出した。



「寝ないの?」

「寝たらお前はどこかに行ってしまうだろう」

「流星と星奈を残して?ありえないよ」



というか股の辺りがヒリヒリしてそれどころでは無い、と寝ながら絆の顔を見つめた。



「まあ、あんだけヤりゃ身体もキツいだろうし、逃げられないよな」

「そういうところ嫌い」

「あっそ、俺は好きだけどな、お前の素直になりきらないところ」



ご満悦の表情を浮かべる絆は、もう何を言っても動じないようだ。
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